根津先生のセミナーの翌日は、月1回の福島先生のセミナーを受けに2日連続 伊藤楽器 船橋へ。
今年の4月から参加させていただいているこの勉強会。
音楽史や楽曲解釈についての講義を聴いた後、 残りの時間は参加者同士で日頃の指導における悩みや、 教材 指導法紹介と言う構成です。
2時間 という短い時間ですが充実しています。
毎回 1曲を取り上げ、その作曲家の生い立ちや時代背景、更には当時の様式や使用楽器を考察した奏法を、福島先生が実演を交えて レクチャーして下さいます。
今回はハイドンのソナタ。
当時のスタイルに則った先生の演奏は、品があり尚且つ自然。
よく裏付けのある演奏と言いますが、これぞ当に!
例えば、クラシックの基本的な演奏では、 通常は上行形はクレシェンドしますが、ハイドンのゆっくりな緩徐楽章ではギャラント洋式に沿って可憐に愛らしく、決してクレッシェンドで歌い上げるということはしないなど。
なるほど一見 立派に聞こえる 演奏でも、当時の様式を理解していない 上辺だけの演奏と言うこともあるのだと。
ギャラント様式で表現すると、同じ楽譜をもとにしていても、最大限に魅力が引き出されることに驚きました。
装飾音の入れ方、 カデンツの和音の弾き方、スタッカートの長さ、、などなど。
「へ〜なるほど〜」と目から鱗の連続で、今までなんと 何も知らなかったことか!
YouTubeで聴く演奏や時折は演奏家でさえも、装飾音の入れ方やテンポ設定も(大抵は速すぎる)首を傾げるものが多いとのこと。
それにしても 福島先生の探求する姿勢には 感服します。
楽譜 一つをあげても、
「ウィーン原典版の1975年版では、ここのところの音がこうだけど、2025年の改訂版ではこう変わっていますね。ヘンレ版 ではこうなっているけど当時の奏法様式から考えたら これは違うんじゃないかな、、。音楽之友社の伊藤先生版は、原典版を取り入れてこうしている云々、、、。」
この幅広い知識と深い教養はどこから来るのでしょう?
そして これらを惜しみなく 伝授してくださる 先生。
先生 ご自身が音楽や歴史が大好きで、その探求を楽しまれていて「この奥深い世界を皆さんで共有しましょう」と言うのが、溢れ出ているように感じます。
そういえば 、音高時代の音楽史の先生も西洋音楽に没入している感じの先生で、作曲家の知られざるエピソードなども随所に織り交ぜてくれる授業は毎回楽しみでした。
楽しいことはすっと頭に入ってくるもので、自慢じゃありませんが、音楽史の試験は殆ど毎回 学年トップでした。(あ自慢してますね)
この年になって学生時代のように、面白い講義を受けることが出来るなんて、福島先生に出会えたことに感謝しています。




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