ピアノレッスンを続けると言うこと

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高校1年生の生徒さん。

進学校に通いながらも、定期試験直前でも振り替えすることなく(凄すぎる!)毎週休むこと無くレッスンに通ってくれています。

高校生になって益々忙しいはずなのに、最近以前より演奏を楽しんでるように感じます。近頃 結構練習してる?

聞けば部活が無くなったので、フリーな時間が増えたとのこと。

この日仕上げのギロック、丁度連弾譜があったので合わせてみることにしました。

私が2ndパートをいざ弾こうとすると

「あれ?手が重なっちゃう?」とオクターブ下げたり音を抜いたり、、それでも何か変

「あ、連弾じゃなくて2台ピアノ用の譜面だった〜〜」

こんな私のボケにも優しく微笑む(苦笑?)のМちゃん。

キーボードで合わせました♪

このブログでは、動画が載せられないのが残念!(私がやり方わからないだけで本当は出来るのかな?)

実は Мちゃん、中学受験を終えてすぐの小6の終わりからレッスン始められました。

そこから持ち前の真面目さとポテンシャルの高さで、バロックやベートーヴェンソナタを弾けるまでになりました。

中学生以上になると理解力もグンと増し、何事に対しても要領良く対処出来るようになってくるので、このタイミングでピアノを 始めるのもありだなと、Мちゃんを見ていて思います。

更には 歴史を初め学校で学んでくる事柄がピアノでやっている事柄と結びついてくるのもこの時期からだと思います。

例えば先日のレッスンで、ロシア 音楽について「ロシア革命 →共産主義を経て独自の路線を確立した」と言う話をした時も、私の問いに対して M ちゃんからピピーンとすぐ答えが返ってくるので

「お〜流石〜よく知ってるね〜!」

と実に楽しい音楽史談義となりました(わたくしにとってはね!)

こうやって、曲の背景に思いを巡らせながら演奏を楽しむことこそが、ピアノの 醍醐味であると個人的には思っています。

しかしそうなる前(自力である程度の曲を仕上げる力がつく前に)やめてしまう子も居るのも事実で、それはとても残念なことです。

辞める時たいていの親御さんが、忙しくてピアノの練習時間を確保出来ない、レッスンの時間は楽しいと言うけど家で練習しない、とおっしゃいます。

実にピアノと言う習い事は、家での練習無くしては上達は有りません。

現代の 共働きの多忙なご家庭にとっては、親御さんの負担の大きい 習い事と言えるでしょう。

忙しい日々を送る中、それでもピアノを習わせたい、好きな曲を弾けるようになってほしいと願う親御さんには、そうなる為には、親の強い意思と忍耐が必要だと言うことをお伝えしたいです。

ピアノの練習とは、バラバラである視覚と指先の神経を、毎日の反復練習によって繋げていく作業です。

ここで問題になるのが、スポーツや勉強にもセンス(感覚)があるのと同じで、ピアノにも必要なセンス(耳の良さ 神経)が生まれつき備わっている人もいれば、そうでは無い人もいると言うことです。

センス(感覚)が備わっている子は

一連の作業が楽にできるので、

楽しい →

もっとやりたい→

親御さんもそこまで苦労せず上達する

と言う好循環が生まれます。

一方、そうでは無い子にとっては、視覚で得た情報を指で再現するという作業には大変な労力を必要とするので、

やってみるけど疲れる→

練習は大変だからイヤ→

親子にとってストレス→

親御さんは練習させるのが面倒になる→

日々の反復が足りないので神経が育たない→

なかなか弾けるようにならない→

家でマスターしてくるべき内容が出来ていないので、レッスンの時間を使うことになる。(そう言う時はソルフェージュ等なるべく違う内容をやるようにはしていますが)

と言う悪循環が起こってしまいます。

(練習記録を見ると、順調に伸びている子は、宿題に出された内容に毎日取り組んでいるのに対し、

うまくいってない子は出来る日にまとめてやったり、取り組む 項目にムラがあったりと言うのがわかります。)

毎日10分の練習が脳の回路を作り上げ、6日前に動かせなかった指をスムーズに動かせるようにするのです。

回路を作る為には睡眠が必要なので、週に一度一気に60分練習しても弾けるようにはなりません。

更には、一度作られた回路はどんどん 枝分かれし、初めての音型に対しても処理能力が速くなるそうです。(勉強スポーツ何事もそうですよね!)

そうなると、ピアノを弾くことが楽になり、楽しいものになっていくのです。

九九を覚える時の「昨日はスムーズに出てこなかったものが今日は楽に言えた!」と言うあの感覚で、毎日少しずつ「回路を育てていく」

これこそが ピアノ上達の為の最良の方法です。

小学生になりたての子が1文字書くのにも時間がかかっていたのに、繰り返し書くうちに、1年もするとスラスラ書けるようになっているのと同じです。

ピアノも繰り返しの練習を続けたその先に、どの子にも必ずそれぞれの成長があります。

ただ、読み書きは毎日学校で必ずやるし、宿題も学校が管理してくれるので、どの子も毎日練習する環境に置かれ、どんなに苦手だった子でも必ず出来るようになる(識字障害などは別として)のに対し、

各家庭に練習を任されるピアノは、習慣をつけさせるのも 家庭の役割となるところが大きく違うところです。

もし、小学校で1人1台 にオルガンを充てがい、朝の10分 練習時間、とやったなら識字率ならぬ「識譜率」100%となり、全ての日本人が簡単な曲ならすぐ両手で弾けるくらいになるのではなんて考えてしまいます。

親御さんには、 反復練習が足りないが為に起こっている状況に対し、ピアノに向いてない、、等早々に見切りをつけるのでは無く、

まずは5分でも10分でも毎日練習すると言う習慣をつけていただくことをお願いしたいです。

その習慣さえつけば、色々なことが好転していくのでは無いかと、これまで沢山の方を見てきて思います。

そして伸びる時期はそれぞれだと言うことを念頭に置いて、長い目で見守り応援していただきたいと思うのです。

中高生になり学業や部活、人間関係、、 色々悩みを抱く年頃になった時、ピアノと言う奥深く広い世界を味わう楽しみを持っていることは、本当に素敵なことだと思います。

と思うままに長々〜と書いてしまいましたが、何より私自身が、生徒の皆さんのやる気を引き出す指導、音楽の魅力やピアノを演奏出来ることの喜びを伝える努力をもっともっとしなければ!と切に思う今日この頃です。

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